新築で家を建てるとき「電気代が安くなるかも」とソーラーパネル設置を検討する人もいるでしょう。寒冷地におけるソーラーパネルは、特に夏場においては大きなメリットがあります。しかし、寒冷地ならではの注意点もあるので、メリット・デメリットを理解しておきましょう。
ソーラーパネルのなかで定番素材としてよく使われているのがシリコン系です。多彩な形状に対応しているうえに比較的安価であり、量産されています。しかも、発電効率が高く、性能面でも評価されています。
シリコン系は、発電効率が高い単結晶シリコン系、コストが安く済む多結晶シリコン系、加工しやすく柔軟性の高いアモルファスシリコンなどに細分化されますが、いずれも発電効率が高いパネルです。
シリコンよりも更に安く製造可能で、省資源なのが化合物系ソーラーパネルです。
化合物系は安さや導入のしやすさに優れていますが、変換効率についてはシリコン系よりも劣ります。
生産コストの低さが注目され、今後普及していくと思われる化合物系ソーラーパネルですが、カドミウムなどの有害物質が含まれることがあるため日本では製造されていません。
現在はまだ開発段階で実用化されていませんが、高いポテンシャルを秘めているのが有機物系ソーラーパネルです。軽さ・薄さ・柔軟性が特徴で、実用化された場合、外壁や窓ガラスに設置可能なソーラーパネルができます。
ソーラーパネルの特性として、パネル本体の表面温度が高くなると、備わっている性能を十分に発揮できず、発電が安定しません。夏が熱いエリアでは、夏の発電効率が低下する可能性があります。
対して、年間を通して比較的気温が低い寒冷地であれば、季節を問わず安定した発電を維持できます。
ソーラーパネルを検討している人のなかには「雪が降ったときは、ソーラーパネルは壊れてしまわないか?」という疑問を持っている人もいるでしょう。
ソーラーパネルにはさまざまなモデルがあり、積雪に備えた耐久性が高いモデルもあります。
ソーラーパネルの高い発電効率の維持には、表面温度が重要です。豪雪地帯で毎日のように雪が降り積もるエリアの場合、発電効率が低下する可能性が高まります。
また、何十センチも雪が積もるような場所では、ソーラーパネルが雪の重みで故障する可能性も。
雪に備えた耐久性の高いモデルはありますが「連日の豪雪に絶対耐えられる」とは言い切れません。
特に、段差をつけて複数設置した場合、重みで下段のパネルが潰れてしまったり、上段のパネルを支える架台が破損し周辺の建物に危害を与えたり、といった可能性もあります。
ソーラーパネルの表面は雪がすべりやすいため、屋根から雪が周辺に落下する可能性があります。雪が落ちて周囲に迷惑をかけないように、雪止めを設置しましょう。
架台が低い場合、溜まった雪でパネルが覆われてしまう可能性があります。雪に覆われると、発電効率低下のほか、パネルが破損するリスクもあります。
雪に覆われないようにする対策として、架台はおおよそ2メートル以上にしてください。
ソーラーパネルの上に雪が溜まっていたら、表面温度が低下し発電効率が下がる可能性があります。しかし、だからといって、雪かきはおすすめしません。なぜならソーラーパネルを傷つけたり、壊したり、といったリスクがあるからです。
ソーラーパネルの上に雪があっても、雪かきはせずに溶けるのを待ちましょう。