住宅を建てる際、平屋にするか二階建てにするか悩みはつきものです。平屋と二階建ての特徴は、表裏一体でそれぞれ違った魅力があります。ここでは、平屋と二階建てのメリット・デメリットを解説します。
平屋は段差がほとんどないため、すべての部屋にアクセスしやすく家事を効率的に行えます。また、生活面においても階段の登り下りが必要ないため、忘れ物をして部屋に引き返すときや荷物を運ぶときもストレスを感じずに移動できます。
すべての部屋が同じ階にあると、どこにいても家族の気配を感じやすく、子どもの様子を確認できるので安心です。
二階建ての場合、子供部屋は二階になるケースが多く、一度部屋に閉じこもってしまうと食事の時間に呼びに行くのも大変です。
家の高さが低いので構造的に安定しやすく耐震性を確保しやすくなります。気象庁のデータによると、例年200回前後の地震が起きている(※)ことから、地震による倒壊が心配な人は平屋を検討するとよいでしょう。
住宅は建てて終わりではなく、建築後にもお金がかかります。最も大きな金額が発生するのが、外壁や屋根の修繕費用です。平屋であれば足場を組む費用がかからないので、二階建ての住宅よりも比較的低価格に抑えられます。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動する性質があります。夏場に二階に上がると蒸し暑く感じたり、吹き抜けのある家では冬場にリビングが寒く感じたり、そのような経験があるのではないでしょうか。
平屋であれば天井の高さがある程度一定に保たれているので空気の移動が少なく、室温を安定して管理できます。
同じ延床面積で建てると、平屋は二階建ての住宅と比べると高くなる傾向があります。基礎面積や屋根の面積が増えるためです。
土地も、平屋を建てるためにより広い敷地が必要になるため、土地選びに苦戦します。また、土地代の予算も多めの準備が必要です。
すべての部屋にアクセスしやすいことが魅力の平屋ですが、言い換えるとプライバシーが保ちにくいことがデメリットになり得ます。子どもが思春期の間や、仕事でビデオ会議する際に家族の目線が気になるなどの問題点があります。
リビングから離れた場所に個室を設けたり、防音性能にこだわった部屋を作ったりするなど工夫が必要になります。
狭い土地でも、二階建てにすることで十分な生活スペースを確保できます。また、同じ延床面積であれば、平屋に比べ基礎面積も狭い範囲で済むため、価格を抑えられます。
LDKと個室を一階と二階とに分けることでプライバシーを確保しやすくなります。ひとりの時間を大切にしたい方は二階建てを検討してみてください。
隣の建物と距離が近かったり、建物が高かったりすると日当たりが悪くなる可能性があります。二階建てなら二階部分をリビングにすることで十分な採光を確保することができます。
階段を何度も昇り降りしないといけないため、平屋と比べると家事が面倒に感じやすくなることがあります。例えば、一階で洗った洗濯物を二階のベランダで干すとなると、洗濯物を持って階段を登らなければいけません。また、二階部分にリビングを採用した場合、毎回階段を登って買い物袋を運ばなければなりません。
リビング階段を採用していると、冬場に暖房で暖めた空気が二階部分に移動してしまい、暖房が効きにくいと感じるケースがあります。階段前に扉を設置するなど、対策が必要です。
外壁や屋根の補修時に足場を組む必要があります。平屋に比べると、メンテナンス費が割高になる可能性があります。
平屋と二階建ての特徴は表裏一体です。それぞれの特徴を踏まえた上で、目的にあった家づくりを考えることが大切です。